一昨年、城戸保さんの写真に出会う前は、森山大道さんの写真が一番好きでした。
色がまるで現実のものとは思えないほど鮮やかで、しかもノスタルジックな色彩、
子供の頃に見た風景を思い出させるような写真もあり、しばし見入ってしまいました。
城戸保は1974年三重県生まれ。愛知県立芸術大学油画科卒業後、名古屋を拠点に発表を行っています。
昨年、愛知県美術館で開催された「放課後のはらっぱ-櫃田伸也とその教え子たち-」では唯一写真作品を発表し、好評を博しました。
大学では油画科に在籍した城戸ですが、制作の興味はすぐに写真に向けられました。
しかし、当時大学には写真専門の教官がいなかったため、独学で写真を学び、指導教官であった櫃田氏が常に平面の視点から彼の作品を批評したことから、
彼の作品は写真というよりも平面作品としての強さをもったものとなりました。
<作家コメント>
私にとって写真は絵画です。そして、写真は魔術です。
7才の姪は、私が伊賀生まれであることから、私のことを忍者だと思っているそうです。
それは、あながち間違っていないかもしれません。何故なら、私は何の前触れもなく突然出会うものを写真機で記録し、
暗室でおまじないのような動作をしながら、光や薬品を駆使して魔術のような事を行うからです。
私は写真という術で、彼女を驚かせたいのです。
色っていうのは、こうも人間を感動させてくれるものなのだなと・・
はっきりとした色を盛り込んでいながら、奇抜ではなく、私の大好きなマグリットを思わせるような写真です。現実と空想の中をさ迷えるような気持になり、引き込まれます。
城戸 保
1974 三重県生まれ
2002 愛知県立芸術大学大学院美術研修科修了
個展
2015 「色空間」HAGIWARA PROJECTS, 東京
「城戸保展」六本木ヒルズクラブ、東京
2014 「R42」HAGIWARA PROJECTS / nap gallery、東京
「ある風景」HAGIWARA PROJECTS、東京
2012 「森と畑」See Saw gallery + cafe、名古屋
2010 ギャルリー東京ユマニテ、東京
2003 ギャルリーNAF、愛知
2002 「現在性の美術 vol.9城戸保」ギャルリーMAKI、東京
日興コーディアル証券ウィンドーギャラリー、愛知
グループ展
2015 「ほんとのうえのツクリゴト」岡崎市旧本多忠次邸、三重
2014 「COVERED TOKYO: Hikarie2014」渋谷ヒカリエ8F、東京
「カミノ クマノ-聖なる場所へ-」三重県立美術館、三重
2013 「SHOWCASE#2 curated by minoru shimizu」eN arts、 京都
2011 「アイチジーン」清洲市はるひ美術館、豊田市美術館又日亭、愛知
2009 「放課後のはらっぱ-櫃田伸也とその教え子たち-」愛知県美術館、愛知
2007 「young artist world patronage program」モンブラン銀座本店、東京
2006 「CONNECT - Impression on paper」Silpakorn University、タイ
「next station」名古屋市民ギャラリー矢田、愛知
2005 「不思議な回転扉のように―写真と絵画の交流」文房堂ギャラリー、東京
http://www.art-it.asia/u/admin_ed_contri7_j/xTB42CyAWzq6shd1NaIS/